1.4 初スキーでの初ジャンプ! ③

「ヒマリ、いいぞ!」

 ユウヤがストックを大きく振った。

 

『どうしよう。ユウヤみたいに真っ直ぐ飛ぶ?それとも、、、』

 ヒマリはどう飛ぶか迷った。

 

 スキーを逆三角に開いて止まっていたヒマリが、スキーを揃えて滑り出す。

 

「無理しなくていいからね!」

 ツキハが助走に入ったヒマリに声を掛ける。

 

 ヒマリは小さくなってスキーのスピードを上げ、捻りを溜めて大きく飛び上がった。

 

 回転をしながらツキハより高く飛んだ。スローモーションのようにヒマリの身体は1回転半した。

 

「えっ・・・」

 ツキハが驚きの声を上げた。

 

「ああーっ・・・」

 ユウヤが嘆きのような声を出した。

 

 後ろ向きでヒマリが着地する。グサッ!!パン!!!

 

 ヒマリのスキーのテールが斜面に刺さって弾けるようにブーツが外れた。ヒマリの身体は斜面を転がった。

 

 

  つづく

 

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