1.5 いきなりビックエアの大会に参加? ①

 それからヒマリとユウヤは、ツキハに日曜日に開催されるジャンプの大会への参加を誘われた。

 

 大会はスキービックエア競技で、明日の土曜日が公式練習、日曜日の午前が予選、午後が決勝で、男女公式戦、男女オープン、ジュニアの部門があるということだった。ジュニアは参加費が無料で、人数が少なく、男女別で表彰されるので、参加すれば表彰される可能性が高いらしい。だから、ぜひ参加して欲しいとツキハからヒマリとユウヤは頼まれた。

 ツキハもジュニア部門にエントリーしていて、ツキハのお父さんが大会運営に関わっており、少しでも盛り上げたいからということだった。

 

「お願い。二人とも参加して」

 ツキハが両手を合わせて縋るように頼んだ。

 

「そんないきなり大会なんて・・・。ボクは今日が初めてのスキーだよ」

 とヒマリが返したが、

 ツキハは態度を変え、ヒマリの顔を指さした。

 

「初スキーの初ジャンプで540を飛んで、それで初めてとか、殴られるわよ!」

 と怖い顔をしてツキハが脅した。

 

 

  つづく

 

【目次】【前話】【次話】