6.2 山の動物たちの反乱計画 ④

『人間と戦うつもりなのかい?』

 ヒマリは訊ねた。

 

『怖いから、戦いたくなんかない。でも、どうなるか分からない。みんな怒っているし・・・』

 オコジョの子が小さく答えた。

 

 集会の中央で猿が作戦を具体的に話し出した。

 

『明日、人間はこの森の横で何かの祭りをする。きっと盛大な祭りだ。雪で作った大きな祭壇を見ただろう』

 

『見た、見た。三つあった』

『色々な旗が何本も立っていた』

『キレイな幕も張ってあったぞ』

 

 ヒマリは祭壇がジャンプをするキッカーのことで、祭りがビックエアの大会だと分かった。

 

『大きさが違う三つ並んだ祭壇を、この反乱の手始めとしてメチャクチャに壊す。寝起きのクマの旦那をワザワザ呼んだのは人間を襲うためじゃない。祭壇を壊して、祭りをできなくしてやるためさ!』

 猿がそう言うとツキノワグマは立ち上がって胸を張った。

 

 

  つづく

 

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