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動画をUPしました。3.7 沼田から鎌原までの輝虎との旅⑥

「輝虎様も千代女さんも、そろそろお酒を控えた方がよろしいのでは?道澄さんも呆れていますよ」

 コノハさんが言い合いになった二人の間に割って入りました。

 

「うるさい!道澄はコノハにだってやらんぞ!道澄に気に入られているからって調子に乗るな!」

 

「酔っ払いが絡まないで下さい。今の輝虎様って本当はセオリさんなんでしょ。お酒を飲むとだらしない所なんて、全くセオリさんそっくりだもの。私と道澄さんは河口湖で会った時からの特別な関係なんです」

 

「セオリ?とくかく、特別な関係など許さん!」

 

「そうさ、許さないよ。若きゃいいってもんじゃないよ」

 

 こうして二人の言い合いは三人の言い合いに発展しました。私は三人の間から抜け出て二郎の横に座りました。

 

「道澄様、お止めにならないのですか?」

 呆れて見ていた二郎が言いました。

 

「私は修験者ですし、女性同士の揉め事には…」

 と私が口を濁していると、誰かの腕が伸び、再び三人の間に引っ張り込まれました。

 

 私は明晰夢を見る前に事前に計画を練って来たつもりでしたが、こうした展開は想定外でした。今回の夢では、目的を達成するまで目を覚まさない予定で、これまで幾晩も夢のまま過ごして来ました。しかし、私は断り切れずに輝虎殿と千代女から浴びるようにお酒を飲まされ、段々と意識が遠くなって行きました。