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動画をUPしました。4.1 浅間山での龍蛇との対決③

 道澄さんは矢を手に取ると印を切り、矢に向かって呪文を唱えました。すると破魔の矢は光り出しました。

 

「この矢を闇の奥に放ってください」

 そう道澄さんに言われて私は弓を強く引き、光る矢を真っ暗な奥に向けて放ちました。光の矢は束となってどんどん広がり、辺りを照らします。

 

『ギャアー、アー、アー、アー』

 と悲鳴のような音が響き、洞窟の中は明るくなりました。

 

「流石だな。これで松明を持つ必要もない」

 輝虎様が感心しています。

 

「それほど長くは持ちませんが、ここで龍蛇を呼び出しましょう」

 道澄さんはそう言って、明るくなった洞窟の中に少し進み、何か呪文を唱え出しました。

 

「誰だ!私を呼ぶのは」

 

 三増で見た有鹿姫の姿をした女性が現れました。

 

「お前は有鹿姫!」

 二郎さんが叫びました。

 

「有鹿姫?ああ、あの時の小僧か。見る者によって姿は異なる。人間は私の姿を都合よく想像し、勝手に名前を付けて呼んでいるだけだ」

 そう言うと下半身が蛇の姿に変わりました。

 

「龍蛇様、先日は私を導いて頂いたようで、その御礼に参りましたよ」

 

「お前は望月千代女か。諏訪信仰を広める巫女頭のお前が私に逆らうのか」



  つづく