「それが上手く行けば、同じように諸国に傀儡を作り、亡者により全てを支配するつもりであった」
下半身が蛇の女性が語りました。
「あなたは戦乱の世を変えるため、生者に祀られるより、死者を操ることを選んだのですか?」
道澄さんが問いました。
「そうだ!最早人間どもに任せられん」
「確かに未だ争い続ける人間は愚かです。しかし道に迷い、過ちを繰り返しながらも、人間自身で必ず解決できるます」
「お前たちで醜い戦乱を終わりにできるのか?」
下半身が蛇の女性が訊ねました。
「できる!私が倒れても必ず誰かが後を継ぐ」
輝虎様が力強く答えました。
「この時代にコノハさんが来て、未来があることを示してくれました。あなたが亡者を操らなくても、私たちが戦乱を治めます」
「そうか、いいだろう。私を二度も追い詰めたお前が言うのであれば、暫く様子を見てやろう。道澄、お前はこの戦乱の世を最後まで見届けよ!呪いは解いてやる」
下半身が蛇の女性は龍蛇に姿を変え、光を放って消えて行きました。
「道澄、退治し損なったな」
輝虎様が言いました。
「いいえ。輝虎殿のお陰で、退治以上の成果がありました。コノハさん、これでアキさんは目を覚ましますよ」
道澄さんが輝虎様に答えた後、私に優しく声を掛けてくれました。
つづく