1.2 ゲレンデでのツキハとの再会 ①

 午後のスキーレッスンが15時で終わり、ヒマリとユウヤは合流して二人でリフトに乗っていた。左側がヒマリで右側がユウヤだった。

 

 リフトが中間辺りにある支柱を過ぎ、ガタっと左右に揺れた。

 

「午後のレッスンを最後だけ見ていたけど、やっぱりヒマリって上手くなるの早いな」

 ユウヤは前を向いたまま呟いた。

 

「そうかなぁ?」

 ヒマリが照れながら応えた。

 

「あぁ、他の奴らと比較にならないよ。相変わらず凄い運動神経だよ」

 今度はヒマリの方を向いてユウヤが言った。

 

 リフトの進行方向から見てゲレンデの左奥の方には、大中小のキッカーと呼ばれるジャンプ台が横に並んでいる。大会が開催されるようで、スポンサーの旗が何本も立てられ、周囲にはネットが張られて立入禁止になっていた。

 

「ねぇ、あのジャンプ台って、去年の夏に遊んだ遊園地の隣にあったのと形が違うけど、どうやって飛ぶんだろう?」

 ヒマリがキッカーの方を向いてユウヤに尋ねた。

 

「あぁ、ウォータージャンプはプールに向かって飛び出すだけだから、踏み切った先に何もないからな。あれはビックエアって言う競技のキッカーっていうジャンプ台だな」

 

「飛び方はプールの時と同じなの?」

 ヒマリが訊ねた。

 

 

  つづく

 

【目次】【前話】【次話】