「えっ、何のこと?」
ヒマリには意味が分からなかった。
「ツキハとの再会だよ。運命を感じる」
「運命?」
「あんな可愛い子とスキー場で再会、もう運命でしょ。シビレるよ」
ユウヤはウキウキして足取りは軽かった。
「ツキハが好きなの?」
ヒマリはぶっきら棒に尋ねる。
「あぁ、タイプだね」
ユウヤは隠しもしない。
「ふ~~ん。そう」
全然関心がないようにヒマリが会話を締めた。
ユウヤが乾燥室のドアを開けると、そこではスキーウェアのツキハが待っていた。
「お待たせ!」
ユウヤがツキハに声を掛ける。
「シゴくわよ!覚悟して」
ツキハは不敵な笑みで応えた。
「やだな。寒いし・・・」
とヒマリが呟いたがスルーされ、他の二人は外に出る準備を始めた。
三人はナイターの灯りに照らされてカクテルに彩るゲレンデに向かって行った。ツキハとユウヤがスキーを担いで並んで歩き、ヒマリが後からついて行った。
ヒマリは去年の夏のツキハとの出会いを思い返した。
つづく