やがて、残された二匹の子猫は目も開いて可愛い盛りになった。その子猫を他の家の人が見に来て、子猫と一緒に遊んでいた。子猫はその人によく懐き、楽しくじゃれていた。すると、その子猫を他の家の人が抱き上げて、そのまま連れて行ってしまった。
また別の日に別の人が来て、残されていた子猫を連れて行った。
母猫はいなくなった子猫を探した。四匹だった子猫は、もう一匹もいない。幾ら呼んでも戻って来ない。幾ら探してもどこにもいない。とても寂しかったが、最初にいなくなった二匹を含めて、きっと他の家で幸せに暮らしていると母猫は思った。
季節が過ぎ、そのキレイな三毛猫は再び恋をした。そして母になった。
それは、朝から暑い夏の日だった。
段ボール箱の中から子猫の賑やかな鳴き声が聞こえて来る。三毛猫は恋を結実して五匹の子猫を生んだが、一匹は死産で、残された4匹を大事に育てていた。
その朝、まだ目も開かない子猫が再び連れて行かれようとしていた。
女性が母猫の頭を撫でようとしたが抵抗した。
つづく