『で、ワシにイイ考えがある。正面から戦っても人間には勝てない。だからワシは、こう考えた。・・・』
猿は人間への反乱計画を長々と説明した。
子猫のヒマリは集会の輪から少し外れた所にいるオコジョの子どもを見つけ、ゆっくりと近寄って行った。
『ねえ、みんな集まってどうしたの?』
ヒマリはオコジョの子どもに話し掛けた。
『んんっ!お前は昨日の人間か?やっぱり、人間に化けていたんだな』
振り向いたオコジョの子は鼻をクンクンさせてそう応えた。
『化けていた訳ではないけど、そうだよ、ボクだよ』
『お前と話した後、言葉が通じる人間がいたけど、森を無くすのは止められないって、父ちゃんと母ちゃんに話したんだ。父ちゃんはこの森を諦めて他の森に行くしかないって言った。でも、母ちゃんが嫌だって言うんだ。他の森に行くと元から居る動物にイジメられるし、ここにはお墓もあるからって。それで父ちゃんが困って、山奥に棲んでいる長老様の所に相談に行ったんだ。そうしたら長老様がカンカンに怒って、目が覚めたばかりのクマさんを連れて、この森まで降りて来てくれたんだよ』
オコジョの子はそう話した。
つづく