7.4 昼凪のインターバル! ⑥

「よく分からないこともあるけど、ヒマリ君の気持ちは分かったよ。優勝したら、ヒマリ君に最高のインタビューをしよう。決勝、頑張ってね」

 彼はそう言って席を立った。

 

「ねえ、ヒマリくん、オコジョに姿を見せるように頼めないの?」

 ツキハが何か思い付いたように言った。

 

「えっ?オコジョに頼む?」

 

「そう。ケータさんが探しても見つからなかったオコジョが姿を見せたら、このスキー場の社長だって考えを変えるかも」

 ツキハは思い付きを口にした。

 

「確かに。口だけで言っても信じて貰えないからな」 

 ユウヤは賛成だった。

 

「でも、いつ行くの?」

 ヒマリは訊ねる。

 

「今でしょ!まだ決勝まで時間があるし」

 ツキハが応えた。 

 

「じゃあ、二人で森に行って来いよ。オレは練習用のキッカーで少し試したいことがあるから何本か飛んで来るよ。じゃあ、お先に」

 ユウヤはそう言って席を立った。

 

「えっ?ユウヤ・・・」

 ヒマリがそう言った時、もうユウヤは行った後だった。

 

「行こう。ヒマリくん。私にオコジョを紹介して」

 ツキハが笑顔で言った。

 

 二人は席を立ち、食器を片付けるとホテルのレストランからゲレンデに出て、森の方に向かって行った。

 

 

  つづく

 

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