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会場が微妙な雰囲気になり掛けていた頃、森ではオコジョの子と長老猿が表彰式の様子を見ていた。
「どうするんだ?このままにして置くのか?」
長老猿がオコジョの子に訊ねた。
「ううぅ」
オコジョの子は答えられなかった。
インタビューでは、優勝した子どもたちのためにも森は残した方が良いとケータさんがフォローし、プレゼンテーターとしてその場にいるスキー場の社長に話を振ってくれた。
しかし、社長は応じなかった。会場の反応もバラバラだった。そして早く進めるように巻きが入った。
その時、老猿と白い小動物が現れた。
「猿?」
「ウサギ?」
会場から声が上がった。
白い小動物はヒマリの身体をスルスル登り、ヒマリの肩の上に立った。
『ヒマリ、おめでとう!』
オコジョの子がヒマリの耳元で言った。
『ありがとう。よく来てくれたね』
ヒマリは笑顔で応えた。
「ウサギじゃない。オコジョだ!」
「本当にオコジョがいるんだ!」
会場から驚きの声が次々に上がった。
つづく