エピローグ:Jump to the Future②

「言って下さいよー」

 

「でも、ここでぼくが言ってしまっていいんですかねー」

 

「時間もできたことですし、是非」

 

「そうですか?う~ん、そうですねー。このスキービックエアの会場ですが、ここはツキハ選手が子どもの頃に出場した大会の会場で、彼女は女子ジュニア部門で優勝したんです。その時に男子で優勝したのがヒマリ選手でしたー」

 

「えっ、ヒマリ選手って、前回のオリンピックに最年少で出場して、大活躍した選手ですよね?」

 

「そうです。その大会で準優勝したのが今大会の男子ビックエアでメダルを獲ったハルト選手で、ハーフパイプでメダルを獲ったユウヤ選手も参加していました。実は恥ずかしながら、ぼくがその大会のMCだったんです」

 

「へー、そうだったんですか。将来有望な選手が参加していたんですねー」

 

「ええ。ただ、当時はスキー場の中にある森を無くす計画があり、それを止める切っ掛けになったのがヒマリ選手の活躍で、それにツキハ選手やユウヤ選手が協力して大人を説得したんです。ぼくも説得された一人です」

 

 

  つづく

 

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