1.3 三人で滑る初めての林間コース ②

「ねえ、いつまでいられるの?」

 

「日曜の夕方まで」

 ユウヤはツキハに答えた。

 

「そう。日曜日の夕方までなんだ・・・」

 ツキハはそう言ってから少し考え、

 

「良かったら一緒に滑らない?色々話したいし」

 と続けた。

 

 

 三人はリフトに乗ってゲレンデの上部に向かった。中上級者向けの斜度が急なコースをユウヤが颯爽と滑る。その少し後ろをツキハが滑り、その更に後ろにヒマリが続いた。

 

 ユウヤは基礎系の両手をしっかり構えたフォームで滑り、ツキハはフリースキーのゆったりしたフォーム、ヒマリは見よう見マネの自由なフォームで滑っていた。

 ヒマリの滑りは二人には及ばなかったが、初めてスキー場に来たとは思えない滑りだった。

 

 ユウヤは後ろを振り返って二人が付いて来ていることを確認し、斜度の変わり目で止まらずに先に進んだ。

 

 急斜面の先は緩斜面になっていて、そこは森の中のゲレンデだった。コース自体が森の中にあった。

 

 

  つづく

 

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