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「ねえ、いつまでいられるの?」
「日曜の夕方まで」
ユウヤはツキハに答えた。
「そう。日曜日の夕方までなんだ・・・」
ツキハはそう言ってから少し考え、
「良かったら一緒に滑らない?色々話したいし」
と続けた。
三人はリフトに乗ってゲレンデの上部に向かった。中上級者向けの斜度が急なコースをユウヤが颯爽と滑る。その少し後ろをツキハが滑り、その更に後ろにヒマリが続いた。
ユウヤは基礎系の両手をしっかり構えたフォームで滑り、ツキハはフリースキーのゆったりしたフォーム、ヒマリは見よう見マネの自由なフォームで滑っていた。
ヒマリの滑りは二人には及ばなかったが、初めてスキー場に来たとは思えない滑りだった。
ユウヤは後ろを振り返って二人が付いて来ていることを確認し、斜度の変わり目で止まらずに先に進んだ。
急斜面の先は緩斜面になっていて、そこは森の中のゲレンデだった。コース自体が森の中にあった。
つづく
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