1.4 初スキーでの初ジャンプ! ①

 森の中のゲレンデに架かるリフトに三人は並んで乗っていた。ヒマリが一番左で、ツキハは一番右に座っていた。

 

 ツキハがリフトの安全バーから身を乗り出し、二人の方を向いた。

 

「ねえ、去年のウォータージャンプの時みたいに飛んでみない?」

 ツキハが含みのありそうな笑顔で提案した。

 

 ツキハは右手を上げ、ストックの先を隣のゲレンデに向けた。

 

 リフトがガタンと揺れた。

 

 

 三人はゲレンデ下部の緩斜面にある小さいキッカーのスタート位置にいた。他にも数人が並んでいる。次がツキハの番だった。

 

 ツキハがスタートし、低くしゃがみ込んだ状態から捻りを作り、キッカーの踏切部分で大きく身体を伸ばした。ツキハは捻りが解放されて高く上がりながら横に回転し、揃ったスキーの横を片手で掴み、反対の手を空に向かって伸ばした。

 頂点では切り取りたくなるポーズとなった。1回転を終えて斜面にストンと着地する。

 

 ヒマリとユウヤは見惚れていた。

 

 

  つづく

 

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