1.4 初スキーでの初ジャンプ! ②

「ツキハ、すごい!」

 手を振りながらヒマリが声を掛ける。

 

「スゲー!グラブして360・・・」

 ユウヤが大声を上げ、その後で両ストックを上げて拍手のように叩いた。

 

 WOW!指数が上昇し、ヒマリやスタート位置で並んでいた他のスキーヤーもストックを叩いてエールを送った。

 

 ツキハは着地をして直ぐに止まり、スケーティングをしながら斜面を登った。そしてキッカーの横まで来て、ストックを大きく振った。

 

「ユウヤ、じゃあ、滑って来て!」

 ツキハがユウヤに合図を送った。

 

「ヨシッ」

 ユウヤが滑り出した。

 

 ユウヤは真っ直ぐ腰の高い態勢で助走をし、そのまま踏み切ってストレートに飛んで着地した。

 

 その様子をツキハは横でしっかりと見ていた。

 

「ちょっと踏切が早かったけど、1本目からイイ感じ!」

 ツキハが着地したユウヤに声を掛けた。

 

「タイミングを合わせるのって、やっぱり難しいね」

 ユウヤがスケーティングで登りながら応えた。

 

「それはそうよ。踏切で全て決まるから」

 ツキハが答えた。

 

 

  つづく

 

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