2.1 遊園地のプールじゃないの? ②

 その駐車場の出入り口の近くまで来ると、右側の先が坂になっていた。そして坂の下から途切れ途切れに水の音が聞こえて来る。

 

 バシャン!!・・・バシャン!!・・・

 

 その音にユウヤが反応し、音のする方に走って行った。

 

「スゲー!」

 ユウヤが声を上げた。

 

「ヒマリ、来いよ!スゲーぞ」

 ユウヤがヒマリを呼んだ。

 

 ヒマリはユウヤの元へ向かった。そこから下を見ると、坂の下にプールがあった。坂の上からスキーやスノーボードを付けた人が、プールに向かって滑り降りてジャンプをしていた。

 滑走する列は横に幾つも並んでいて、交互に滑り出してはバシャン、バシャンと飛び込んでいる。

 

 母親らしき女性二人も歩み寄って来た。

 

「あれ?ここも遊園地のプールなの?」

 クロッシェハットを被った女性が尋ねた。

 

「そう言えば、スキーのジャンプができる施設があるって、旦那が言ってた」

 運転をしていたキャペリンハットの女性が答えた。

 

「ねぇ、母さん、近くで見たい!」

 ユウヤがキャペリンハットの女性の両腕を掴んで言った。

 

「全く、ユウヤは父親と一緒ね。どうする?」

 呆れた感じで母親はクロッシェハットを被った女性の顔を見た。

 

「駐車場は一緒だし、遊園地の一部なんじゃない?下に降りてみましょうよ」

 その女性が応えた。

 

 

  つづく

 

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