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森がなくなり、自分たちの棲み処もなくなってしまう。小さな子どものオコジョはとても心配していた。
『話は分かったよ。でも、ボクにどうして欲しいんだい?』
『なあ、他の人間に言って木を切るのを、森を無くすのを止めておくれよ』
『えっ・・・』
『お前はオコジョの言葉が分かるんだから、他にもスゴイ力があるんだろう!頼むよ、森を守っておくれよ』
『ごめん。ボクはキミの言葉が分かるだけで、他には何の力もないよ』
『そうなのか?』
『キミたちのことは可哀そうだと思うけど、ボクは何の力にもなれない』
『なんだ、父ちゃんの言った通りだった。期待するんじゃなかった』
そう言うと小さなオコジョはヒマリに背を向け、寂しそうに暗闇の方に消えて行った。
ヒマリがナイターの灯りに照らされたキッカーのある場所に戻って来て、それを見たツキハはヒマリの方に近付いて行った。
「ヒマリくん!」
「ごめん。少し時間が掛かった」
「トイレじゃないんでしょ」
「えっ?」
「オコジョと話したの?」
つづく