7.5 心のメタモルフォーゼ! ④

『なぜ断言できる』

 長老猿はヒマリを睨んだ。

 

『それは・・・』

 ヒマリは答えられなかった。

 

『ワシらだって殺生をする。自分が生きるために他の動物の命をいただく。しかし人間は贅沢のために、着飾るためにオコジョや動物たちの毛皮を剥がす。だから生き残ったオコジョも他の山の動物も人間に近付かなくなったのさ。昨夜、お前が向き合ったクマさんはなぁ、去年、人間の勝手な都合で家族を撃ち殺されたんじゃ』

 

 長老猿が語り始めた。

 

 この山のツキノワグマは減少していたので少し前まで人間から保護されていた。だからクマの家族は安心して山の奥で暮らしていた。しかし、クマの数が回復して保護が緩くなり、去年から狩りをしても良いことになった。

 しかし、保護対象でなくなったことなどクマの家族には分からない。だから油断をしていたクマの家族は父親を除いて撃ち殺されてしまった。

 父親のクマは家族を守ろうとして撃たれて怪我をし、泣く泣く倒れた家族を置き去りにして逃げたということだった。

 

 

  つづく

 

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