3.1 ライバル登場、俺はフリーでしかスキーしない ④

「ハル、またツキハと飛ぶの楽しみだね」

 ミコトと呼ばれた少年が笑顔で言った。

 

「そうだな」

 ハルトと呼ばれる少年は誰に対しても素っ気なかった。

 

 その時、少女への指導を終えたコーチから引き上げるとの声が掛かった。

 

「ごめん、ツキハ、僕たちはもう行かなきゃ。宿が離れていて、夕飯もまだなんだ」

 ミコトという少年がツキハにそう言うと、ハルトは軽く手を上げた。そして少年少女三人とコーチが去って行った。

 

 

 ツキハの横にいたヒマリとユウヤはその様子を黙って見ていた。

 

「なぁツキハ、あの三人ってジュニア部門なんだよな?」

 ユウヤは四人の背を目で追いながらツキハに尋ねた。

 

「ええ。ハルトとミコトくんはユウヤと同学年。ミスズは私やヒマリくんと同じで、一つ下」

 ツキハがそっと答えた。

 

「大会を誘った時、人数が少ないとか、参加するだけで入賞とか言ってなかったか?」

 ユウヤは静かに尋ねた。

 

「えっ、でも大丈夫。多分、あの三人みたいなの、他には出ないから。きっと」

 ツキハは慌てつつ、自分を納得させるかのように答えた。

 

 

  つづく

 

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